オンラインストレージの安全性は、運営会社の対策と、使う側の設定や管理の両方で決まります。
暗号化、ログインの守り、共有の権限、操作の記録、バックアップ、運営体制をまとめて確かめ、仕事の機密データは会社のセキュリティのルールを優先します。
事故の多くは、共有設定のミスやパスワードの使い回しなど、使う側から起きています。
記事のポイント
- 安全性は、運営会社が守る部分と、自分で守る部分の両方で決まる
- 暗号化、2段階認証、共有の権限、操作の記録、バックアップ、運営体制を確かめる
- 事故の多くは、共有設定のミスやパスワードの使い回しなど使う側から起きる
- 仕事の機密データは、会社のセキュリティのルールを優先する
オンラインストレージは安全なのか
主なオンラインストレージは、データを暗号化して保存し、複数のサーバーに分けて保管するなど、個人の端末に置いておくより失いにくい仕組みを整えています。
一方で、どれだけ運営会社が守っていても、パスワードが漏れたり、共有の設定を誤ったりすれば、ファイルは外から見られてしまいます。
つまり、サーバーや通信の安全は運営会社が守り、アカウントや共有の設定は使う側が守るという分担になっています。

オンラインストレージの仕組みそのものは、オンラインストレージとはで説明しています。
オンラインストレージで起こりうるリスク
安全に使うために、どんなことが起こりうるかを知っておきます。
パスワードが漏れて不正にログインされる
ほかのサービスと同じパスワードを使っていると、そちらから漏れたパスワードでログインされることがあります。
本物そっくりのログイン画面に誘導して、パスワードを入力させる手口もあります。
共有の設定を誤って外から見られる
「リンクを知っている全員」が開ける設定にしたファイルは、URLが転送された先の人にも見られます。
本来は一部の人だけに見せるつもりだったファイルが、設定のミスで広く見られる状態になることは少なくありません。
障害や誤操作でファイルが使えなくなる
運営会社の障害やインターネットの不具合が起きると、そのあいだはファイルを開けなくなります。
また、同期しているフォルダで誤ってファイルを消すと、ほかの端末からも消えてしまいます。
個人のアカウントに仕事のファイルが残る
会社が認めていない個人のアカウントで仕事のファイルを扱うと、会社がファイルの場所や使われ方を把握できなくなります。
担当者が辞めたあとも、個人のアカウントにファイルが残ってしまうことがあります。
安全なサービスを選ぶときの確認項目
サービスを選ぶときは、次の項目を公式ページで確かめます。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 暗号化 | 通信の途中と、保存しているあいだの両方でデータが暗号化されるか |
| ログインの守り | パスワードのほかに確認コードなどを使う2段階認証を設定できるか |
| 共有の権限 | 見るだけ・編集できるなどの権限や、リンクの期限・パスワードを決められるか |
| 操作の記録 | いつ誰がファイルを開いたり消したりしたかを確かめられるか |
| 復元のしやすさ | 消したファイルや、上書き前の古い版を元に戻せるか |
| 運営体制 | 運営会社、データの保存場所、第三者の認証を取得しているか |
個人で使うなら、暗号化、2段階認証、共有の権限、復元のしやすさの4つを満たしていれば、十分なことが多いです。
仕事で使うなら、操作の記録や、管理者がアカウントをまとめて管理できる機能まで確かめます。
運営会社にもファイルの中身が見えない仕組みを採るサービスもあり、秘密にしたいデータが多い場合の選択肢になります。
自分でできる安全対策
どのサービスを使う場合でも、使う側が次の対策をしておくと、多くの事故を防げます。
2段階認証を設定し、パスワードを使い回さない
2段階認証を設定しておけば、パスワードが漏れても、確認コードがなければログインされにくくなります。
パスワードはほかのサービスと同じものを使わず、長く推測されにくいものにします。
ログインを求めるメールやメッセージのリンクは開かず、いつも使っているアプリやブックマークからログインします。
GoogleやMicrosoftのアカウントでは、パソコンに挿したりスマートフォンにかざしたりして使うセキュリティキーも2段階認証に登録できます。
\ 鍵を挿してログインを守る /
共有を定期的に見直す
家族写真や仕事のファイルは、リンクを知っている全員ではなく、共有する相手を指定する設定にします。
やり取りが終わった共有は、そのままにせず解除しておきます。
共有の権限の選び方は、Googleドライブで写真共有する方法で具体的に説明しています。
手元にもバックアップを残す
IPAの中小企業向けのガイドラインでは、基本の対策である情報セキュリティ5か条に「バックアップを取ろう!」を加え、6か条にしたと案内されています(出典:IPA 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン)。
オンラインストレージに預けていても、障害や誤操作に備えて、大切なデータは手元の機器にも残しておきます。
写真や動画をまとめて控えておくなら、容量の大きい外付けHDDが手軽です。
\ もう1つの控えを手元に /
仕事で使うなら会社のルールを優先する
顧客の個人情報や契約書のような機密データは、どのサービスに置いてよいかを会社のルールで決めておく必要があります。
個人で使いやすいサービスが、会社の求める安全の水準を満たしているとは限りません。
法人向けのサービスには、管理者がアカウントをまとめて止められる機能や、接続できる場所を絞る機能、操作の記録を長く残す機能などがあります。
会社で使うサービスは、担当の部署がこうした機能を確かめたうえで選び、社員は決められたサービスとアカウントだけを使います。
顧客とファイルをやり取りするときの考え方は、仕事の写真共有方法で整理しています。
写真や動画を受け取るだけならフォルダを開放しない
イベントの参加者や顧客から写真や動画を集めるとき、オンラインストレージのフォルダを編集できる状態で開放すると、ほかの人のファイルまで触れられる状態になりがちです。
受け取ることが目的なら、相手にフォルダの権限を渡さず、送るだけの窓口を用意するほうが安心です。

OmoiBoxでは、案件ごとにURLとパスコードで受け取り用の窓口を作れ、相手は登録もアプリもなしで写真や動画を提出できます。
パスコードを知っている人しか提出できないため、窓口のURLだけが広まっても送られてくる相手を絞れます。
\ フォルダを渡さず受け取る /
※写真の回収は無料プランで試せます
オンラインストレージの安全性についてよくある質問
無料のオンラインストレージは危険ですか?
主なサービスの無料プランでも、暗号化や2段階認証は使えることが多く、個人で使う分には大きな問題になることは少ないです。
ただし、管理者の機能や操作の記録がないため、仕事の機密データを置く場所には向きません。
運営会社にファイルの中身を見られることはありますか?
多くのサービスは、運営会社が暗号を解く鍵を管理しているため、仕組みのうえでは中身を扱える状態です。
運営会社にも中身が見えない仕組みを採るサービスもあるため、気になる場合はそうしたサービスを選びます。
海外のサービスを使っても大丈夫ですか?
個人で使う分には、主な海外のサービスでも安全の仕組みは整っています。
仕事で使う場合は、データの保存場所に条件がある会社もあるため、社内のルールを確かめてください。
スマートフォンをなくしたらどうすればいいですか?
別の端末からオンラインストレージにログインし、パスワードを変えて、なくした端末からのログインを解除します。
あわせて、スマートフォンを探したり中身を消したりする機能も使えるか確かめます。
オンラインストレージの安全性のまとめ
オンラインストレージの安全性は、運営会社が守る部分と、使う側が守る部分の両方で決まります。
サービスを選ぶときは、暗号化、2段階認証、共有の権限、操作の記録、復元のしやすさ、運営体制を確かめます。
使う側では、2段階認証の設定、パスワードの使い回しをやめること、共有の見直し、手元へのバックアップを続けます。
仕事の機密データは、個人の判断ではなく会社のセキュリティのルールを優先して扱います。
各サービスの機能は変わることがあるため、使う前に公式ページで確認してください。


