ファイル共有のパスワードには、共有リンクや転送サービスに付けるものと、ZIPやOfficeのファイルそのものに付けるものがあり、どちらもパスワードはファイルとは別の経路で伝えます。
パスワード付きのZIPをメールで送る方法は見直しが進んでいるため、期限や相手の指定と組み合わせて使うのが安全です。
無料のプランでは、共有リンクにパスワードを付けられないサービスもあります。
記事のポイント
- パスワードは共有リンクに付ける方法と、ファイルそのものに付ける方法がある
- 無料のプランでは共有リンクにパスワードを付けられないサービスもある
- パスワードは、ファイルを送ったのとは別の経路で伝える
- 期限と相手の指定を組み合わせ、間違えたらすぐリンクを止める
ファイル共有のパスワードは2種類ある
ファイル共有でパスワードを付ける方法は、どこにパスワードをかけるかで2つに分かれます。
1つは、オンラインストレージの共有リンクやファイル転送サービスのダウンロードの画面にパスワードをかける方法です。
この方法では、リンクを開いた人にパスワードの入力を求め、正しく入れた人だけがファイルを見たりダウンロードしたりできます。
もう1つは、ZIPやWord、Excel、PDFのファイルそのものに暗号化のパスワードをかける方法です。
この方法では、ファイルを手に入れた人でも、パスワードを知らなければ中身を開けません。
共有リンクのパスワードはあとから止めたり変えたりしやすく、ファイルのパスワードはダウンロードされたあとも中身を守れる点が違います。

共有リンクや転送サービスにパスワードを付ける
共有リンクにパスワードを付けられるかどうかは、サービスと契約しているプランによって違います。
表では、主なサービスでパスワードを付けられる条件を見比べてください。
| サービス | リンクのパスワード(2026年10月時点) | 補足 |
|---|---|---|
| OneDrive(個人) | Microsoft 365の契約者だけ付けられる | 有効期限の設定も同じ条件 |
| Dropbox | Professional、Essentials、ビジネス向けのプランで付けられる | 無料のBasicとPlusでは付けられない |
| Box | 有料のプランで付けられる | 無料の個人向けアカウントでは付けられない |
| Googleドライブ | リンクにパスワードを付ける機能はない | 相手のアカウントを指定して共有する |
| ギガファイル便 | 無料で付けられる(半角英数字4桁) | アップロードが終わった画面で設定する |
| firestorage | 無料で付けられる | アップロードの前に設定する |
Googleドライブのように、リンクにパスワードを付けられないサービスでは、「リンクを知っている全員」ではなく、相手のメールアドレスを指定して共有します。
ギガファイル便のパスワードは、アップロードを終えたあとに再発行できないため、設定した値を控えてから画面を閉じます。
オンラインストレージごとの共有リンクの出し方と権限の決め方は、オンラインストレージで共有する方法で説明しています。
ファイルそのものにパスワードを付ける
共有リンクにパスワードを付けられない場合や、ダウンロードされたあとも中身を守りたい場合は、ファイルそのものにパスワードを付けます。
WordやExcel、PDFに付ける
WordやExcelでは、ファイルを開いた状態で次の順に進むと、開くときのパスワードを設定できます。
- Wordは「ファイル」から「情報」の「文書の保護」を開き、「パスワードを使用して暗号化」を選ぶ
- Excelは「ファイル」から「情報」の「ブックの保護」を開き、「パスワードで暗号化」を選ぶ
- PDFは、Adobe Acrobatのパスワードによる保護の機能を使う
Officeのファイルは、パスワードを忘れると自分でも開けなくなるため、パスワードは別の場所に控えておきます。
ZIPに付ける
複数のファイルをまとめてパスワードを付けたいときは、7-Zipなどの圧縮ソフトで、パスワード付きのZIPを作ります。
Windowsの標準の機能では暗号化された圧縮ファイルを扱えないと案内されているため、受け取る相手にも対応した解凍ソフトが必要になることがあります。
相手がスマホで受け取る場合は、パスワード付きのZIPを開けるアプリが入っているかも確かめておきます。
パスワードを安全に伝える方法
パスワードを付けても、ファイルと同じ経路でパスワードを送ってしまうと、両方がまとめて第三者の手に渡るおそれがあります。
ファイルとは別の経路で伝える
パスワードは、ファイルやリンクを送ったのとは別の手段で伝えます。
別の経路として使いやすいのは、次のような手段です。
- 電話で口頭で伝える
- SMS(ショートメッセージ)で送る
- ふだん使っているビジネスチャットで送る
チャットで送ったパスワードは、消さない限り履歴に残り続けるため、相手が受け取ったことを確かめたら送ったメッセージを消しておきます。

PPAPは避ける
パスワード付きのZIPをメールで送り、続けて別のメールでパスワードを送る方法は、PPAPと呼ばれています。
2通とも同じメールの経路を通るうえ、暗号化されたZIPはメールのウイルス検査をすり抜けやすいため、見直す会社が増えています。
内閣府と内閣官房でも、2020年11月にパスワード付きZIPの利用をやめる方針が示されました(出典:内閣府 大臣会見)。
ZIPを使う場合でも、ファイルは共有リンクで渡し、パスワードは電話やチャットで伝える形に変えると、同じ経路を通らずに済みます。
パスワード管理アプリの共有機能を使う
パスワードを履歴に残したくないときは、パスワード管理アプリの共有の機能も使えます。
Bitwardenの「Send」は、無料のプランでも1,000文字までの文字を送れて、期限は最長31日、開ける回数の上限やパスワードも設定できます。
1Passwordも、1Passwordを使っていない相手にリンクで共有でき、期限や、見られる相手のメールアドレスを決められます。
パスワードと一緒に設定したいこと
パスワードだけでは、リンクとパスワードが両方とも漏れたときに防げないため、ほかの設定も組み合わせます。
推測されにくいパスワードにする
ファイルのパスワードは、ログインのパスワードと違って何度でも試されるおそれがあるため、長くしておくことが大切です。
国家サイバー統括室は、暗号化したファイルのパスワードには15桁以上を勧めています(出典:国家サイバー統括室)。
名前や誕生日を使わず、英字と数字、記号を混ぜた長いパスワードを、送る相手ごとに変えて作ります。
期限と相手を決めておく
共有リンクには、パスワードと一緒に有効期限を付けておくと、期限が過ぎたあとはリンクが開けなくなります。
相手のアカウントを指定して共有すれば、リンクが転送されても、指定した人以外は開けません。
ファイル転送サービスは、保存の期限を業務に必要な短い日数にしておくと、リンクが残り続ける期間を短くできます。
期限の付け方と、保存の期限と提出の期限の違いは、期限付きファイル共有の方法で説明しています。
間違えて送ったときはすぐ止める
宛先を間違えたと気づいたら、次の順にアクセスを止めます。
- 共有リンクを削除するか、ファイル転送サービスのファイルを消す
- 相手のアカウントに個別の権限を付けていたら、その権限も削除する
- ダウンロードの記録を見て、相手が開いたかを確かめる
- 相手に連絡し、ダウンロードしていたらファイルの削除を頼む
リンクを消しても、相手のアカウントに付けた権限は残ることがあるため、両方を確かめます。
写真や動画を集めるならパスコード付きの提出URL
ファイルを送るときと反対に、家族や顧客から写真や動画を集めるときも、提出の入り口にパスワードがあると安心です。
共有フォルダを開放して入れてもらう方法は、リンクが広まると誰でも中の写真を見られてしまうおそれがあります。
OmoiBoxでは、提出用のURLにパスコードが付いていて、URLとパスコードの両方を知っている人だけが写真を提出できます。
提出する人は会員登録もアプリもいらず、集まった写真は自分だけがZIPでまとめてダウンロードできます。
\ 集める入り口にも合言葉を /
※FREEプランでもパスコードが付きます
ファイル共有のパスワードでよくある質問
パスワードを付ければ、リンクを誰に送っても安全ですか?
リンクとパスワードが一緒に漏れると開けてしまうため、パスワードだけで安全とは言えません。
期限や相手の指定を組み合わせ、パスワードは別の経路で伝えます。
受け取ったパスワード付きZIPがWindowsで開けないのはなぜですか?
Windowsの標準の機能は、暗号化された圧縮ファイルに対応していないと案内されています。
7-Zipなどの解凍ソフトを使うと開けることがあります。
パスワードはメールで送ってはいけないのですか?
ファイルやリンクをメールで送ったなら、パスワードは電話やチャットなど別の手段で伝えます。
ファイルを共有リンクで渡し、パスワードだけをメールで送る形なら、経路を分けられます。
大容量のファイルにもパスワードを付けられますか?
ギガファイル便やfirestorageのような転送サービスなら、大きなファイルでもダウンロードにパスワードを付けられます。
数GBのファイルをZIPで暗号化すると時間がかかるため、転送サービスのパスワードを使うほうが手軽です。
ファイル共有にパスワードを付ける方法のまとめ
ファイル共有のパスワードには、共有リンクや転送サービスに付ける方法と、ファイルそのものに付ける方法があります。
共有リンクのパスワードは、OneDriveやDropbox、Boxでは有料のプランが必要で、Googleドライブには機能がありません。
パスワードは、ファイルを送ったのとは別の経路で伝え、パスワード付きのZIPをメールで続けて送る方法は避けます。
期限と相手の指定を組み合わせ、間違えて送ったときはリンクと個別の権限の両方を止めます。
プランごとの機能は変わることがあるため、使う前に各サービスの公式ヘルプで確認してください。


