お葬式用の写真は、祭壇に飾る遺影の1枚を、家族が本人らしいと感じる表情で、顔にピントが合い、顔が大きく写っている写真から選びます。
遺影の写真は、通夜の当日の昼ごろまでには葬儀社に渡す必要があることが多いので、候補を3〜5枚に絞って早めに相談します。
葬儀の会場で写真を撮るときは、遺族の許可を得たうえで、フラッシュやシャッター音を避け、SNSには載せないようにします。
記事のポイント
- 遺影は本人らしい表情と、顔の大きさとピントで選ぶ
- 候補を3〜5枚出し、元の写真やデータを葬儀社に渡す
- 会場に飾る写真は、遺影とは役割を分けて選ぶ
- 葬儀で写真を撮るなら、遺族の許可を得てから
遺影にする写真の選び方
遺影は、黒い服で正面を向いた改まった写真でなくてもよく、今は普段の笑顔や趣味を楽しむ姿の写真が選ばれることも多くなっています。
- 穏やかな人なら自然な笑顔、真面目な人なら引き締まった表情など、家族が本人らしいと感じる顔
- 正面か、少し斜めを向いて、目線がカメラに向いている写真
- 亡くなる前の1〜5年ほどの間に撮った、参列者の記憶に近い顔
- 晩年の写真が少なければ、最も元気だった頃の写真
真横を向いた写真は、参列者が遺影に向き合ったときに目が合わず、違和感が残ることがあります。
ふざけた表情の写真は、葬儀のあとも長く家に飾ることを考えると、親族の中に気にする人がいるので、家族で話し合って決めます。
本人が元気なうちに、遺影にしてほしい1枚を選んでおく方法は、終活で残す写真の選び方で紹介しています。
引き伸ばしても粗くならない写真
遺影は、元の写真を祭壇用の大きさに引き伸ばして作るので、普段見る写真よりも画質の条件が厳しくなります。
| 確かめること | 目安 |
|---|---|
| ピント | スマホで拡大して、目元や口元の輪郭がはっきりしている |
| 顔の大きさ | 元の写真で、顔が10円玉ほどの大きさ以上に写っている |
| データの形 | 撮ったときの元のデータを使う(SNSやLINEで送った画像、スクリーンショットは画質が落ちている) |
| 光 | 暗い部屋の写真や強い逆光でなく、顔に強い影がない |
| 顔の隠れ | 帽子やサングラス、マスク、手で顔の輪郭が隠れていない |
最近のスマホで撮った写真なら、元のデータであれば、たいてい引き伸ばしに足りる画質があります。
眼鏡の反射や背景の写り込み、少しの傷や色あせは、加工で直せることが多いので、自分で候補から外さず葬儀社に相談します。
祭壇用の大きな写真と、焼香台や自宅に飾る小さな写真は縦横の比率が違うので、顔の周りや肩の上に余白のある写真を選ぶと、どちらの大きさにも切り取れます。
いつまでに、誰に渡すか
通夜は夕方から始まることが多く、葬儀社が写真を受け取ってから加工と印刷、額に入れるまでに半日ほどかかるので、写真は打ち合わせの日か通夜の前日までに渡すのが確実です。
遅くとも通夜の当日の昼ごろまでには渡せるよう、亡くなってから最初の打ち合わせまでに候補を探し始めます。

初めから1枚に決めず、本人らしいと感じる写真を3〜5枚選んで渡すと、切り抜いたときの仕上がりを見比べて決められます。
葬儀社に頼むと、加工から印刷、額に入れて祭壇に飾るまでを任せられます。
写真店などに直接加工を頼むこともできますが、その場合は、仕上がったデータを葬儀社に持ち込めるか、必要な大きさ、額があるかを先に葬儀社に確かめます。
背景と服、額の決め方
遺影の背景や服は、写真を加工して変えることもできます。
- 背景は、日本人の肌の色になじみやすいブルー系やグレー系が選ばれることが多い
- 服や肌の色と同じような色の背景にすると、顔が浮いて見えるので、明るさに差をつける
- 旅行先や趣味の場所の背景を、そのまま残す選び方もある
- 普段着のままでよく、入院中の寝間着や薄着の写真なら、首から下を別の服に着せ替えられる
カラーと白黒に決まりはなく、カラーは顔色や服の温かみが伝わり、白黒は古い写真の色あせや粗さを目立たなくするので、両方の見本を見て決めます。
額やリボンを明るい色にする家族も増えていますが、明るくしすぎると祝い事の写真のように見えることがあるので、会場の雰囲気に合う落ち着いた色を選びます。
写真がほとんど残っていないとき
長く写真を撮っていなかった人の遺影は、次のような所から探します。
- 故人のスマホ(写真のアプリが人ごとに分けて表示してくれることもある)
- 家族や孫のスマホ
- 紙のアルバムや、年賀状の写真
- 友人や親戚、趣味の仲間が撮った集合写真
- 家族の行事を撮った動画の1場面
- 運転免許証などの顔写真
集合写真や小さな写真でも、顔がはっきり写っていれば、切り抜いて遺影にできることがあります。
アルバムの紙の写真は、引き伸ばすなら600dpi以上で読み取ると、大きくしても粗さが目立ちにくくなります。
\ 紙の写真を高い画質で読み取る /
故人のスマホにしか写真がなく、ロックが外せずに家族が見られないこともあるので、元気なうちから家族と写真を共有しておくと安心です。
集めた写真をムービーにまとめるときの枚数と流れは、お葬式のムービーの作り方で紹介しています。
会場に飾る思い出の写真
祭壇の遺影が今の故人と向き合う1枚なら、受付の近くや控室に飾る写真は、子どもの頃から晩年までの歩みを伝える写真です。
- 生い立ち、学生時代、仕事、趣味、家族と、年代や場面が偏らないように選ぶ
- 写真のボードは、中央に大きな1枚を置き、周りに小さな写真を並べる
- 貼りきれない写真は、ページを開いたアルバムにして置く
- 一緒に写っている人には、飾る前に了解を得る
生きている人と一緒に写った写真を葬儀に飾ることを気にする人もいるので、迷う写真は親族と相談して決めます。
年表や大きめの写真は、倒れにくい台に立てると、受付の机の上でも見やすくなります。
\ 年表や写真を立てて置く /
写真や愛用品を飾るコーナーの作り方は、お葬式のメモリアルコーナーの作り方で紹介しています。
葬儀で写真を撮るときのマナー
地域によっては、告別式の前や出棺の前に、親族が祭壇の前で集合写真を撮る習わしがあります。
葬儀の場で写真を撮るときは、次の点に気をつけます。
- 撮る前に、遺族と葬儀社、僧侶に撮ってよいかを確かめる
- フラッシュを使わず、シャッター音が鳴らない設定にする
- 棺の中の故人の姿は、遺族に頼まれない限り撮らない
- 撮った写真をSNSに載せない
遺族から記録の撮影を頼まれたときは、記録係と分かる腕章を付けるなどして、ほかの参列者に誤解されないようにします。
集合写真や式の様子を残したいときは、葬儀社や写真館にプロの撮影を頼む方法もあります。
葬儀のあとの遺影の飾り方
葬儀のあと、遺影は四十九日までは遺骨と一緒に後飾りの祭壇に置き、そのあとは仏壇の横の棚や、和室の鴨居の上などに飾ることが多くなっています。
- 仏壇の中や真上、仏壇の真正面には置かず、仏壇の横の低い位置に置く
- 鴨居や長押に掛けるなら、落ちないよう上と下の数か所で支える
- 直射日光や照明、水回りの近くを避ける
- 大きな額が置けなければ、小さく焼き直して棚に飾る
元の写真は光で少しずつ色があせるので、元の写真は暗い所にしまい、普段は焼き増しした写真を飾ると、長く残せます。
小さく焼き直した写真は、透明なアクリルのスタンドに入れると、仏壇の横の棚にも置きやすくなります。
法要の日に祭壇を飾るときの写真の置き場所は、法要の祭壇の飾り方で紹介しています。
\ 小さく焼き直した写真を飾る /
遺影を手放すときは、寺院でのお焚き上げや葬儀社への相談のほか、白い紙に包んで自治体の決まりに従って出す方法もあるので、家族で話し合って選びます。
集めた写真を映像にして流すなら
遺影を選ぶために集めた写真は、家族の言葉と一緒に映像にすると、通夜や告別式の会場で静かに流せます。
オーダーメイドでは、故人の歩みを静かに振り返るスライドショーを、ご家族の写真と言葉をもとに作るお葬式・法要のムービーを制作しています。
基本料金は15,000円(税込、2026年10月時点)で、写真50枚までの編集と完成前の確認が含まれ、コメントの修正や写真の並び替えは回数の制限なく頼めます。
上映できるかどうかと時間は先に会場に確かめ、急ぐときは上映の日時と写真の集まり具合を伝えると、間に合うかを相談できます。
\ 集めた写真を静かな映像に /
※相談だけなら申し込みにはなりません
お葬式用の写真についてよくある質問
遺影は笑顔の写真でもよいですか?
笑顔の写真でかまいません。
家族が本人らしいと感じる表情を選びます。
遺影はカラーと白黒のどちらにすればよいですか?
決まりはなく、両方の見本を見て、顔色や写真の古さに合うほうを選びます。
遺影の写真を生前に撮っておいてもよいですか?
本人が納得できる1枚を残せるので、生前に撮っておく人も増えています。
顔の印象が変わらないよう、数年ごとに撮り直すとよいとされています。
遺影に使う写真は、どの大きさで用意すればよいですか?
大きさは葬儀社が合わせてくれるので、元の写真か元のデータをそのまま渡します。
お葬式用の写真の選び方のまとめ
お葬式用の写真は、家族が本人らしいと感じる表情で、ピントと顔の大きさが十分な1枚を遺影にします。
候補を3〜5枚選び、元の写真やデータを、通夜の当日の昼ごろまでに葬儀社に渡します。
会場に飾る写真は遺影と役割を分け、葬儀で写真を撮るときは遺族の許可を得てからにします。
故人らしい1枚を選んで、家族で送り出してください。


