終活の動画は、元気なうちに自分の写真と言葉を1本の映像にまとめ、家族や親しい人へ感謝を伝えるためのものです。
葬儀で流すなら3〜5分にまとめ、写真の合間に本人がカメラに語りかける場面を入れると、文字や写真だけでは伝わらない声と表情が残ります。
財産の分け方は動画に残しても法律上の効力がないので、遺言書に書き、動画ではその理由と家族への思いを話します。
記事のポイント
- 誰に・どこで見せるかで種類と長さを決める
- 写真は時系列に並べ、テンポに緩急をつける
- 語りは窓の光・三脚・静かな部屋で撮る
- 財産のことは遺言書、動画は思いを伝える
終活の動画の4つの種類と長さ
終活の動画は、誰に、どこで見てもらうかによって、次の4つに分かれます。
| 種類 | 内容 | 見せる場面 | 長さの目安 |
|---|---|---|---|
| お別れのメッセージ動画 | 本人がカメラに向かって感謝を語る | 葬儀で参列者に流す、家族に手渡す | 葬儀で流すなら3〜5分 |
| スライドショー | 写真に字幕と曲を添えて人生を振り返る | 通夜や葬儀の会場で流す | 3〜5分 |
| ビデオレター | 配偶者や子ども、友人など一人に向けて語る | その人に手渡して、家で見てもらう | 5〜10分 |
| 両方を合わせた映像 | 語りかけとスライドショーを1本にする | 葬儀のほか、法要や命日にも見返す | 5〜10分 |
目的が決まらないまま作り始めると、家族への感謝のつもりが経歴の紹介になったり、座って話す場面ばかりが続いて退屈になったりします。
入れたい写真や話が多くて葬儀の時間に収まらないときは、会場で流す3〜5分の短い版と、家で見てもらう10分前後の長い版に分けます。
人生の出来事を年表にまとめてから映像にする方法は、終活の自分史の作り方で紹介しています。
気持ちが伝わる構成とテンポ
写真は生まれてから今までの順に並べ、場面ごとに速さを変えると、見ている人が人生をたどりやすくなります。
- 生まれたころと幼いころ:ゆっくり、温かい雰囲気で
- 学生時代と仕事、趣味:少しテンポを上げ、生き生きした姿を
- 結婚、子育て、家族との思い出:ふたたびゆっくり、じっくり見せる
- 一番の笑顔の写真か、本人の語りかけ:気持ちが一番高まる場面に
- 家族や参列者への感謝の言葉:10〜20秒ほどの余韻を残して終える

写真だけの場面は1枚3〜7秒、字幕を読ませたい場面は1枚8〜10秒にすると、年配の人も文字を読み切れます。
字幕を入れて6〜7分にするなら、写真は30〜50枚ほどが目安です。
家族一人ずつに向けた場面を作るときは、一人あたりの秒数と写真の枚数、字幕の量をそろえておくと、受け取る家族の間に不公平な感じが残りません。
写真の並べ方や枚数の決め方は、お葬式のムービーの作り方でも紹介しています。
写真の選び方と取り込み方
写真は、本人が気に入っている写真と、家族が「その人らしい」と思う写真がずれることがよくあります。
見た人の記憶に残るのは家族の目から見て「らしい」写真なので、迷ったら家族に「どれが自分らしい?」と聞いて選びます。
古い紙の写真をスマホで取り込むときは、次の点を守ると、光の反射や歪みが出にくくなります。
- 日中に、直射日光の当たらない窓際で作業する
- 天井の照明の真下を避け、写真の下に白い紙を敷く
- 写真とスマホが平行になるよう、真上から構える
- 反射を消す機能のあるアプリでは、画面の4つの丸を省かずに撮る
- 1枚目がきちんと保存されたかを確かめてから続ける
離れて暮らす親に取り込んでもらい、メッセージアプリで送ってもらうときは、画質が落ちないよう元の画質のまま送ってもらいます。
残す写真の選び方は、終活で残す写真の選び方で紹介しています。
自分の言葉を撮るコツ
本人がカメラに語りかける場面は、光、構図、音の3つを整えると、家庭のスマホでも温かく見やすい映像になります。
光は窓の光か、正面やや上から
天井の照明の真下だけで撮ると、目元や首に濃い影ができ、表情が沈んで見えます。
窓から入る自然な光を、顔の斜め前か正面のやや上から当てると、明るく柔らかい表情で撮れます。
夜や光が足りない部屋では、明るさと色を変えられるリングライトを正面のやや上に置くと、顔全体が明るくなり、瞳に光が入って生き生きと見えます。
\ 夜の部屋でも顔を明るく /
構図と撮る場面
スマホは三脚で固定し、本人の目の高さが画面の上から3分の1あたりに来るようにします。

頭の上や左右に壁の余白を広く空けすぎると、見る人の目がそちらに向くので、胸から上を画面に収めます。
座って話す場面だけが続かないよう、庭の手入れや趣味を楽しむ姿、いつもの暮らしの様子も別に撮って、合間に挟みます。
スマホを立てて高さを変えられる三脚があれば、座って話す場面も、立って作業する場面も同じ構図で撮れます。
\ スマホを目の高さに固定する /
音は静かな部屋で、口元の近くで
エアコンや換気扇は、撮る前に切っておきます。
スマホのマイクは離れると声が遠くなるので、襟元に付けるピンマイクを使うと、声がはっきり残ります。
音は回しっぱなしにして、映像だけをこまめに区切ると、あとで声と映像を合わせる手間がかかりません。
\ 声を口元の近くで録る /
声を機械の音声で作る方法もありますが、気持ちが声に乗りにくいので、うまく話せなくても本人の声で語るほうが、家族の心に届きます。
家族への言葉の作り方
言葉は、立派な言い回しより、具体的な出来事を一つずつ挙げて、そのたびに「ありがとう」を添えるほうが、受け取る人の心に残ります。
残される家族が「自分だけ楽しんではいけない」と思わないよう、これからの暮らしを楽しんでほしいと背中を押す言葉も入れます。
配偶者へ
子どもや孫、友人へ
葬儀の会場で流す映像では、字幕の句読点を使わず空白で区切るのが一般的で、1画面の字幕は20〜25字ほどに収めます。
テレビや会場のスクリーンでは画面の端が映らないことがあるので、字幕は画面の内側に置きます。
避けたほうがよい言葉や宗教ごとの違いは、お葬式のメッセージ例文で紹介しています。
曲を入れるときの考え方
会場で市販のCDを流すことと、映像の中に曲を入れることでは、必要な手続きが違います。
会場が音楽の権利の団体と契約していても、それは会場で流すための契約なので、映像に曲を入れるには別の手続きが要る場合があります。
- 著作権を気にせず使える音源を使う
- 権利が切れた古いクラシックで、使ってよい音源を選ぶ
- 映像は曲なしで作り、会場で市販のCDを流す
- 曲の手続きに対応した業者に頼む
曲を確かめる順番は、お葬式のムービーの曲の選び方で紹介しています。
動画と遺言書の違い
動画や録音で財産の分け方を話しても、法律上の遺言にはなりません。
遺言は、自筆の証書か公正証書など、決められた方式で紙に書く必要があるからです。
- 財産を誰にどう分けるかは、遺言書に書く
- 動画では、なぜその分け方にしたのか、家族への感謝を話す
- 手で書くのが難しい人は、公証人が書く公正証書遺言を選ぶ
遺言書に添えて動画を残しておくと、本人の声で理由を聞けるので、家族が分け方に納得しやすくなります。
相続人全員が同意すれば、動画で話した思いに沿って遺産を分けることもできますが、1人でも反対すればその通りにはなりません。
家族に確実に届ける
どれだけ心を込めて作っても、家族が置き場所を知らなければ、見られないまま終わってしまいます。
- 同じ映像を2か所以上に置く(パソコンと外付けのSSDなど)
- 家族の家の機器で見られる形(DVD、ブルーレイ、USBメモリ)も用意する
- 葬儀で流すなら、本番前に会場の機器で一度流してみる
- メッセージアプリの中だけに残さない(家族がアカウントを引き継げない)
- 置き場所と開き方をエンディングノートに書き、信頼できる家族に伝える
置き場所や連絡先は変わるので、年に1回、見直す日を決めておきます。
完成した映像と元の写真を外付けのSSDにまとめておけば、家族へそのまま手渡せます。
\ 完成した映像を手渡せる形に /
撮った言葉と写真を映像にまとめるなら
自分で語りかけを撮り、写真を選んでも、それを曲と字幕でまとめ、会場で流せる形に仕上げる作業は、思った以上に時間がかかります。
オーダーメイドでは、ご自身のお葬式で上映するために生前に準備するムービーを、写真と言葉をもとに作る終活・お葬式・法要のムービーを制作しています。
基本料金は15,000円(税込、2026年10月時点)で、写真50枚までの編集と、動画やメッセージの挿入、完成前の確認が含まれ、コメントの修正や写真の並び替えは回数の制限なく頼めます。
スマホで撮った語りかけの動画も、写真と一緒に渡せば、映像に組み込めます。
\ 撮った動画も一緒に渡せる /
※相談だけなら費用はかかりません
終活の動画についてよくある質問
終活の動画はどれくらいの長さにすればよいですか?
葬儀で流すなら3〜5分、家族に手渡すビデオレターなら5〜10分が目安です。
終活の動画で財産のことを話してもよいですか?
話してもかまいませんが、法律上の効力はないので、財産の分け方は遺言書に書きます。
スマホだけで終活の動画は撮れますか?
撮れますが、三脚で固定し、窓の光を顔に当て、静かな部屋でピンマイクを使うと見やすくなります。
終活の動画はいつ作ればよいですか?
話す体力と気力があるうちに作り、家族の様子が変わったら撮り直します。
終活の動画の作り方のまとめ
終活の動画は、誰にどこで見せるかを決めて、種類と長さを選びます。
写真は時系列に並べてテンポに緩急をつけ、字幕を読ませる場面は1枚8〜10秒にします。
語りかけは窓の光、三脚、静かな部屋で撮り、具体的な出来事ごとに感謝を伝えます。
財産のことは遺言書に書き、完成した映像は2か所に置いて、置き場所を家族に伝えてください。


