法要の祭壇は、本尊や位牌を祀る場所と、写真や思い出の品で故人を偲ぶ場所を分けて飾ると、宗派の決まりと故人らしさを両立できます。
四十九日の法要までは白木の位牌を置く後飾りの祭壇を、一周忌からの年忌法要では仏壇を中心に飾ります。
遺影や思い出の写真は仏壇の中ではなく横や手前に置き、置ききれない写真はアルバムや映像で見てもらいます。
記事のポイント
- 祀る場所と偲ぶ場所を分けて飾る
- 四十九日までは後飾り、年忌は仏壇が中心
- 写真は仏壇の中に入れず、横か手前に
- 飾りきれない写真はアルバムや映像で
四十九日までの後飾りの祭壇
葬儀のあと、四十九日の法要までは、自宅に後飾りの祭壇を置いて、遺骨と白木の位牌、遺影を祀ります。
後飾りの祭壇は、白木か白い段ボールの台に白い布をかけた2段か3段のもので、葬儀社が用意することが多いです。
3段の祭壇では、次のように並べます。
- 上段:中央に白木の位牌、両脇に遺骨と遺影(遺影は少し斜めに向けるか、中段に置いてもよい)
- 中段:お菓子や果物などの供物、霊供膳
- 下段:中央に香炉、右に燭台、左に線香立てと花立、右手前にりん

置き場所は、仏壇があればその手前、なければ部屋の北か西の側が目安とされていますが、難しければ、水回りや直射日光の当たる所を避ければかまいません。
四十九日の法要の日は、仏壇ではなく後飾りの祭壇の前で営み、仏壇の扉は閉じて、白木の位牌と新しい本位牌を並べておきます。
法要で本位牌に魂を入れる供養(開眼供養)をしたあと、本位牌を仏壇へ移します。
神道では、八足と呼ばれる台の祭壇を使い、仏教の四十九日に当たる五十日祭までお祀りします。
一周忌からの法要で仏壇を飾る
一周忌からの年忌法要は、仏壇を中心に、普段の飾りに法要の日のための飾りを足します。
| 段 | 普段の飾り | 法要の日に足す物 |
|---|---|---|
| 上段 | 中央に本尊、左右に脇侍 | 本尊を隠さないように飾りを整える |
| 中段 | 位牌(本尊より低く)、仏飯、お茶、供物 | 霊供膳、好物の供物 |
| 下段 | 花立、香炉、火立の3つ(三具足) | 花立と火立を一対ずつにした5つ(五具足)、打敷 |
| 仏壇の前 | りん | 経机と、僧侶用の大きめの座布団 |
位牌が複数あるときは、向かって右に古い先祖、左に新しい故人の位牌を置きます。
打敷は仏壇の卓にかける布で、忌中や一周忌、初盆には白や銀の物を使い、ない場合は普段の打敷を裏返して使う方法もあります。
霊供膳は精進料理の一汁三菜を小さな器に盛ったもので、蓋を外し、箸は仏様の側に向けて供えます。
浄土真宗では、位牌の代わりに法名を記した掛け軸か過去帳を使い、水やお茶、霊供膳は供えないなど、ほかの宗派と違う点があります。
線香の本数や供え方も宗派で違うので、迷ったら菩提寺に確かめます。
一周忌の法要全体の準備と流れは、一周忌の法要で故人を偲ぶ方法で紹介しています。
遺影と思い出の写真を置く場所
遺影や思い出の写真は、仏具ではないので、仏壇の中には入れず、仏壇の外に置くのが基本です。
仏壇の中は仏様の世界を表す場で、手を合わせる相手は本尊と位牌だからです。
写真を置かないほうがよい場所は、次の3つです。
- 仏壇の中(特に、生きている人が写っている写真は入れない)
- 仏壇の真上(仏様を見下ろす位置になる)
- 仏壇の真正面(拝むと遺影に背を向けることになる)
写真を置くなら、次の場所が向いています。
- 仏壇の左右の横(遺影は向かって左に置くことが多い)
- 仏壇の手前の経机や台の上に、小さな写真立てで(ろうそくの火から離し、りんを鳴らすときに手が当たらない側に)
- 仏壇の斜め上の壁や長押(落ちないように固定する)

知らずに写真を仏壇の中に入れていても、不吉なことが起きるわけではないので、気づいたときに外へ移せば十分です。
葬儀で使った遺影は四つ切りほどの大きさなので、家に長く飾るなら、2L判やはがきほどの大きさに作り直すと、仏壇の横にも収まります。
遺影が複数あるときは、向かって右から古い方の順に並べます。
遺影にする1枚をどう選ぶかは、お葬式用の写真の選び方で紹介しています。
遺影とは別に元気だった頃の写真を何枚も見せたいときは、デジタルフォトフレームを仏壇の横に置けば、1つの場所で写真を順に映せます。
\ 何枚もの写真を1か所で /
思い出の品と好物の供え方
仏壇や祭壇の周りに故人らしさを足すときは、本尊や位牌の場所を避けて、横の台や別の机を偲ぶ場所にします。
思い出の品を並べる
思い出の品は、テーマを一つ決めて数を絞ると、見た人に故人の人柄が伝わります。
- お酒が好きだった人なら、愛用の徳利やぐい呑み
- 野球や車が好きだった人なら、ユニフォームや模型
- 本や作品を残した人なら、手書きの原稿や描いた絵
- 旅行が好きだった人なら、旅先の写真とお土産
大切な品は原本を家に置き、写真やアルバムは複製を並べ、品の裏や箱に名前を書いておくと、片付けるときに迷いません。
写っている人がいる写真は、飾る前に了解を得ておきます。
品の横に、使っていた頃の一言や撮った年を書いたカードを立てると、見た人が思い出話を始めやすくなります。
\ 品の横に一言を立てる /
好物やお酒を供える
好物は、普段は控えめにして、法要や命日に供えます。
- お酒:器に移すか蓋を開けて香りを供え、お参りが済んだら閉めるか家族でいただく
- タバコ:1本を短い時間だけ供え、灰は香炉に入れず別の灰皿に落とし、終わったら換気する
- お菓子や果物:高坏に適量を盛り、傷む物は早めに下げる
- 肉や魚:少しの量を短い時間だけ供え、すぐに下げる
お墓や納骨堂では、開けた缶を置いたままにせず、墓石にお酒をかけないようにします。
供物が多くて祭壇に載りきらないときは、脇の台に並べ、法要のあとに参列者で分けます。
供花の選び方
供花は、祭壇の左右に一対で、奇数本ずつ供えるのが一般的です。
四十九日までは白を中心に淡い色を少し加え、忌明けのあとは、故人が好きだった色の花を入れてもかまいません。
次の花は、避けるか手を加えてから供えます。
- バラなどトゲのある花は、好きだった花ならトゲを取って、白や淡い色のものを
- 香りの強いユリは、香りの少ない種類を選び、花粉を取る
- 猫がいる家では、ユリは花瓶の水まで害になるので使わない
- 毒のある花、つるのある花、花が首から落ちる椿、黒い花は避ける
関西の一部では、花の代わりに樒を供える地域もあるので、親族に確かめます。
法要の何日も前から花を飾るときは、花瓶の水に切り花用の栄養剤を入れておくと、当日まで花が持ちやすくなります。
\ 法要の日まで花を保つ /
会場ごとに気をつけること
祭壇を飾る場所によって、確かめておくことが変わります。
| 会場 | 気をつけること |
|---|---|
| マンションの自宅 | 外壁側を避けて内側の壁に置き、仏壇の背を壁から少し離し、耐震マットを敷く |
| 寺や会館 | 位牌と遺影を持参し、思い出の品を置く場所、持ち込み、電源、搬入と片付けの時間を確かめる |
| 会食の店 | 大きな遺影は他の客が驚くことがあるので、予約時に相談し、個室か小さな写真立てにする |
マンションや会館では火を使えない場所もあるので、ろうそくの代わりにLEDのキャンドルを使うと安心です。
\ 火を使えない部屋でも灯す /
会食の店で陰膳を用意するときは、上座に遺影と位牌を置き、陰膳から先に配膳してもらいます。
寺や会館の本堂では、読経や焼香の間と本尊の撮影は控え、写真を撮るなら許可を得て、音の出ない設定にします。
準備の順番と家族の役割分担
祭壇の準備は、時間のかかる物から先に手配します。
- 1か月ほど前:本位牌を仏具店に頼む(文字入れに日数がかかるので、仏壇の高さも測っておく)
- 2週間ほど前まで:飾る写真と思い出の品を家族で選び、複製を作る
- 3〜4日前:祭壇を仮に組んで、並べ方と焼香の通り道を確かめる
- 前日か当日の朝:供花を受け取り、トゲや花粉の手入れをする

準備は家族で分けると、施主1人に負担が集まりません。
- 施主:寺との連絡、お布施、当日の挨拶
- 配偶者:供物、供花、料理
- きょうだい:親族への連絡、受付
- 孫の世代:掃除、椅子の準備、写真選び、スライドショー
飾りきれない写真を映像で見せるなら
祭壇の周りに置ける写真は少ないので、家族で選んだ写真の多くは、アルバムに戻すことになります。
飾りきれなかった写真をスライドショーにまとめておくと、法要の前の待ち時間や会食の席で、集まった親族に見てもらえます。
オーダーメイドでは、故人の歩みを静かに振り返るスライドショーを、ご家族の写真と言葉をもとに作るお葬式・法要のムービーを制作しています。
基本料金は15,000円(税込、2026年10月時点)で、写真50枚までの編集と完成前の確認が含まれ、コメントの修正や写真の並び替えは回数の制限なく頼めます。
法要の日にちを伝えると、それに合わせた進め方を相談できます。
\ 選んだ写真を映像にまとめる /
※相談しても依頼は決まりません
法要の祭壇についてよくある質問
法要の祭壇は自分たちで飾ってもよいですか?
自分たちで飾ってかまいませんが、後飾りの祭壇は葬儀社が用意することが多いので、並べ方も葬儀社に尋ねると確かです。
遺影はいつまで飾ればよいですか?
決まりはなく、飾り続けても、四十九日や一周忌を区切りに片付けても、どちらでもかまいません。
仏壇がない家では、年忌法要の祭壇はどうすればよいですか?
白い布をかけた机に位牌と遺影、香炉、花を置けば、小さな祭壇として法要を営めます。
祭壇に故人の好きだった物を飾ってもよいですか?
本尊や位牌の場所を避けて、横の台や別の机に置けば、飾ってかまいません。
法要の祭壇の飾り方のまとめ
法要の祭壇は、本尊や位牌を祀る場所と、写真や思い出の品で偲ぶ場所を分けて飾ります。
四十九日までは後飾りの祭壇、一周忌からは仏壇を中心にし、宗派で違う点は菩提寺に確かめます。
遺影や写真は仏壇の中や真上、真正面を避け、横か手前に置きます。
思い出の品は数を絞って並べ、飾りきれない写真はアルバムや映像で、集まった家族に見てもらってください。


