法要の手紙は、白無地の便箋1枚に縦書きで、法要へのお礼やお詫び、故人との思い出を一場面、遺族への気遣いの順に書きます。
参列者が送る欠席のお詫び状も、施主が出す案内状やお礼状も、この骨組みは変わらず、違うのは最初に置く用件だけです。
四十九日からの法要の手紙は、葬儀のときの薄墨ではなく、普通の黒い墨で書きます。
記事のポイント
- 便箋1枚・縦書き・白無地の一重封筒で
- 思い出は一場面に絞り、遺族を気遣って結ぶ
- 四十九日からは黒い墨、香典は御仏前
- 施主の案内状は日時と返信の期日を別記に
送る人と場面で変わる用件
法要の手紙は、参列する側が送るものと、施主が送るものに分かれます。
| 場面 | 送る人 | 最初に書く用件 |
|---|---|---|
| 欠席のお詫び状 | 参列者 | 案内へのお礼と、欠席のお詫び |
| 香典や供物の添え状 | 参列者 | 香典や供物を送ったことと、供えてほしいお願い |
| 法要の案内状 | 施主 | 誰の何回忌か、日時と会場、会食の有無 |
| 法要のお礼状 | 施主 | 参列や香典へのお礼と、法要を終えた報告 |
| 家族だけで営んだ後の報告 | 施主 | 身内だけで済ませたことと、そのお詫び |
どの場面でも、用件のあとに故人との思い出を一つ添えると、形式だけの手紙になりません。
供花に添えるカードや返信はがきの一言のような短い言葉は、法要のメッセージ例文で場面ごとに紹介しています。
便箋に書く手紙の組み立て方
日程が決まっている法要の手紙は、葬儀の直後に出すお悔やみ状と違い、頭語と時候の挨拶から書き始めてかまいません。
- 頭語と時候の挨拶、案内へのお礼(「拝啓」「秋冷の候」など、祝う言葉を避ける)
- 参列できないときは、欠席のお詫び(理由は詳しく書かない)
- 香典や供物を送ったときは、その旨と、仏前に供えてほしいお願い
- 故人との思い出を一場面、遺族の体を気遣う言葉、結語(「敬具」)

改まりすぎたくない相手には、頭語を「前略」にして時候の挨拶を省き、結語を「草々」にします。
香典や供物に添えるだけの一筆箋なら、節目への言葉、思い出の一場面、気遣いの結びの3行に収めると、短くても気持ちが伝わります。
一周忌までは遺族がまだ喪中なので、「お慶び申し上げます」は使わず、「ご清祥のことと存じます」とします。
思い出が伝わる一場面の選び方
遺族にとって支えになるのは、立派な言い回しよりも、故人が周りの人にどう思われていたかが分かる具体的な場面です。
思い出は、いくつも並べるより、次のような一場面に絞ると、便箋1枚の中で言葉がまっすぐ届きます。
- 笑顔や、かけてくれた一言
- 作ってくれた料理の味
- 一緒に出かけた場所や、好きだった花やお菓子
書く思い出の深さは、故人や遺族との距離に合わせて変えます。
| 関係 | 思い出の書き方 | 一場面の例 |
|---|---|---|
| 孫や親友 | 二人だけの場面を具体的に | 大きな手で頭をなでてもらった日 |
| 義理の実家や知人 | 温かな人柄や好物を中心に | いつも笑顔で迎えてくださった姿 |
| 職場や近所 | 控えめに、確かな一場面だけ | 庭先でかけてくださった挨拶 |
遺族と面識がないときは、思い出の前に「高校で部活動をともにしておりました〇〇と申します」と、故人との関係を名乗ります。
次のような書き方は、遺族に気を遣わせるので避けます。
- 亡くなった原因や病気のことを尋ねる
- 「本当におつらいですね」と気持ちを決めつける(「お力落としのことと存じます」とする)
- 「頑張ってください」と励ます(「ご無理のないようお過ごしください」とする)
- 自分の悲しみばかりを長く書く
参列者が送る手紙の例文
例文の思い出の部分を、自分が覚えている場面に置き換えて使います。
欠席のお詫び状と香典の添え状
欠席の理由は、「やむを得ない事情により」「以前から決まっていた仕事のため」のように、詳しく書かずにぼかします。
香典を手紙と一緒に送るときは、郵便局の窓口で買う現金書留の封筒に、香典袋と手紙を入れます。
四十九日からの法要では、香典袋の表書きを「御仏前」にします。
\ 法要の香典を包むときに /
供物に添える一筆箋
法要には参列するけれど、供物や供花を先に届けておくときは、一筆箋に数行を添えます。
数行の添え状は、白無地で縦罫の入った一筆箋に書くと、改まった場面にもなじみます。
\ 数行で気持ちを添える /
親族や友人への手紙
孫から祖父母の法要に送る手紙や、親しかった友人の法要に送る手紙は、句読点を使った普通の文章で、思い出を少し詳しく書いてかまいません。
義理の実家へ送るときは、丁寧な言葉を保ったうえで、子どもの近況を一文添えると、親族の間では温かい供養になります。
施主が出す案内状とお礼状
施主の手紙は、受け取った人が「誰の、何の法要か」「いつ、どこで、会食はあるか」「いつまでに返事をするか」を一目で分かるように書きます。
一周忌の案内状を出す時期と、法要全体の準備の順番は、一周忌の法要で故人を偲ぶ方法で紹介しています。
法要の案内状
案内状は、法要の1か月ほど前までに届くように出し、返信はがきの期日を法要の7〜10日前にしておくと、会食や返礼品の準備に間に合います。
- 頭語と時候の挨拶(四十九日の案内なら、葬儀のときのお礼も)
- 誰の何回忌か(「亡父〇〇の一周忌にあたり」)
- 法要を営むことと、参列のお願い、会食の有無
- 結語
- 「記」として、日時、会場の名前と住所、電話番号、会食の会場、「以上」
- 日付、施主の住所と名前、返信の期日

改まった案内状やお礼状は、法要が途切れずに進むようにという意味から句読点を使わず、空白と改行で区切るのが一般的です。
案内状の本文に「父の思い出話をお聞かせください」と一文入れておくと、当日の会食で故人の話をするきっかけになります。
案内状や挨拶状の宛名と本文は、黒と薄墨が1本になった筆ペンなら、法要の黒と葬儀の薄墨を書き分けられます。
\ 法要の黒と薄墨を1本で /
法要のお礼状と家族だけで営んだときの報告
お礼状は、法要が終わってからなるべく早く、返礼品に添えるか、別に送ります。
親しい親族や故人の友人へは、故人がその人との交流を喜んでいたことを一文添えると、故人からのお礼も重なった手紙になります。
家族だけで法要を営んだときは、本来なら招くはずだった親族に、終わってから報告の手紙を送ると、「法要はいつするのか」と気をもませずに済みます。
家族だけで営むことを前もって知らせるときは、誤って来てしまわないように、日時や会場は書かず、香典や供物を辞退するなら、その旨も書きます。
書式と言葉の決まり
法要の手紙は、紙の選び方や言葉にも、不幸が重ならないようにという配慮から来た決まりがあります。
- 便箋は白無地の縦書きを1枚に収め、2枚目を重ねない
- 封筒は白無地の一重にし、中が二重の封筒は使わない
- 便箋は四つ折りにせず三つ折りにする
- 行の頭は一字下げずにそろえる
- 四十九日からの法要は、黒い墨か黒いペンで書く(法要でも薄墨を使う地域もあるので、迷えば親族に確かめる)
次の言葉は、不幸が重なることや、死を直接思わせるので言い換えます。
| 避けたい言葉 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 重ね重ね、たびたび、くれぐれも | 深く、どうか |
| 再び、引き続き | 改めて、これからも |
| 死ぬ、生きていた頃 | ご逝去、ご生前 |
| 忙しい | ご多用 |
故人の呼び方は、手紙を受け取る人から見た続柄で決め、受け取る人の父なら「ご尊父様」、母なら「ご母堂様」、親しい相手なら「お父様」「お母様」とします。
続柄が分からないときは、「〇〇様」と故人の名前で書けば失礼になりません。
葬儀の直後に出すお悔やみ状の書き方は、お葬式の手紙の書き方で紹介しています。
縦書きの白い便箋が手元にあれば、法要の案内が届いてからすぐに書き始められます。
\ 白無地で縦書きの便箋 /
手紙の言葉を写真と一緒に残すなら
法要の手紙に書いた思い出は、受け取った家族の手元に残りますが、親族それぞれの言葉は別々の手紙に分かれたままになります。
親族や友人から集めた言葉と故人の写真を、1つの映像にまとめておくと、一周忌や三回忌の席でみんなで見返せます。
オーダーメイドでは、故人の歩みを静かに振り返るスライドショーを、ご家族の写真と言葉をもとに作るお葬式・法要のムービーを制作しています。
基本料金は15,000円(税込、2026年10月時点)で、写真50枚までの編集と完成前の確認が含まれ、コメントの修正や写真の並び替えは回数の制限なく頼めます。
法要の日にちを伝えると、それに合わせて制作の進め方を相談できます。
\ 集めた言葉を1つの映像に /
※相談だけで終えてもかまいません
法要の手紙についてよくある質問
法要の手紙に句読点を使ってはいけませんか?
改まった案内状やお礼状では使わないのが一般的ですが、親しい親族や友人への手紙なら使ってもかまわないとされています。
年配の親族や取引先へは、句読点を省いた形にするほうが無難です。
法要の手紙はボールペンで書いてもよいですか?
黒のボールペンや万年筆でも失礼にはあたりませんが、鉛筆や消せるペンは避けます。
欠席するとき、返信はがきとは別に手紙を送るべきですか?
返信はがきだけでも失礼ではありませんが、香典や供物を送るときや、故人と親しかったときは、手紙を添えると気持ちが伝わります。
法要の手紙は何枚までなら書いてよいですか?
便箋1枚に収め、書ききれないときは思い出を一場面に絞って短くします。
法要の手紙の書き方のまとめ
法要の手紙は、白無地の便箋1枚に縦書きで、用件、思い出の一場面、遺族への気遣いの順に書きます。
参列者は案内へのお礼と欠席のお詫び、施主は日時と会場と返信の期日を、最初の用件として書きます。
思い出は故人や遺族との距離に合わせて深さを変え、死因に触れたり励ましすぎたりしないようにします。
四十九日からは黒い墨で書き、受け取る人から見た続柄で故人を呼んで、故人を偲ぶ気持ちを届けてください。


