一周忌は、亡くなってから満1年の祥月命日に営む法要で、年忌法要の中でも親族や親しかった友人を広く招く節目です。
家族で故人を偲ぶ時間にするには、読経と焼香の間は儀式に集中し、写真や思い出の話は開式前の待ち時間と会食に集めると、法要の流れを崩しません。
写真は遺影の1枚だけでなく、元気だった頃や若い頃の写真を少し選んでおくと、親族の間で知らなかった話が出てきます。
記事のポイント
- 一周忌は満1年の命日、喪が明ける節目
- 日程と会場は2〜3か月前に決め始める
- 写真や映像は待ち時間と会食で見せる
- 好物を供え、会食を思い出話の場にする
一周忌の法要の流れと思い出を出す時間
一周忌の法要は、読経と焼香のあと、お墓参りと会食へ移るのが一般的な流れです。
- 受付と待合(参列者は開始の少し前に集まる)
- 法要(僧侶の読経、焼香、法話)
- お墓参り(納骨がまだなら、納骨式を併せて営む)
- 会食(お斎と呼ばれる食事の席)
写真や映像は、儀式の時間を避けて、次のように時間を分けて出すと、親族の中に「法要の場にふさわしくない」と感じる人がいても気まずくなりません。
| 時間 | 向くこと | 控えること |
|---|---|---|
| 開式前の待ち時間 | 写真パネルやアルバムを見てもらう | 大きな音の映像 |
| 読経・焼香・法話 | 故人を静かに偲ぶ | 私語、撮影、映像の上映 |
| 会食 | 思い出話、スライドショー、好物の料理 | 長すぎる上映 |
一周忌は、四十九日の忌明けに続き、遺族が喪に服す期間を終える喪明けの区切りでもあります。
悲しみの中にも、故人への感謝や温かい思い出を語れる時期になるので、会食の席で思い出話をする時間を取ると、集まった意味が残ります。
準備の段取りと写真を集める時期
一周忌は2〜3か月前から準備を始め、写真を集める作業は案内状を出すころに並べて進めると、当日に慌てません。
- 3〜2か月前:日程、寺、会場、招く人の範囲を決める(命日に営めないときは、命日より前の土日にする)
- 2〜1か月前:案内状を出し、返礼品を選び、親族に写真を貸してほしいと頼む
- 1か月前〜前日:供花や供物、進行の順番、施主の挨拶を準備し、写真を選んで飾り方を決める
- 終わってから:お礼状を出し、三回忌や仏壇、お墓のことを家族で相談する

命日より後ろへ日をずらすのは避け、前へ繰り上げるのが一般的です。
お彼岸やお盆の時期は寺が忙しいので、そこに重なるときは早めに相談します。
翌年に営む三回忌の違いや過ごし方は、三回忌の法要で故人を偲ぶ方法で紹介しています。
家族だけで営むときも、参列したいと思っている親族がいないかを先に確かめ、終わってから報告すると、親族の間にわだかまりが残りにくくなります。
遺影と祭壇に故人らしさを添える
一周忌の祭壇には、位牌と遺影を置き、花と供物を供えます。
一周忌は喪が明ける節目なので、花は白だけでなく、故人が好きだった色を淡く取り入れてもかまいません。
供物には、故人が好きだったお菓子や果物、お酒を選ぶと、それをきっかけに思い出話が始まります。
肉や魚の好物は、少しの量を短い時間だけ供え、すぐに下げます。
浄土真宗では、遺影を仏壇の中や真上に置かずに横へ置き、仏壇に肉や魚を供えないなど、ほかの宗派と違う決まりがあるので、菩提寺に確かめます。
段ごとの並べ方や、写真を置く場所の決まりは、法要の祭壇の飾り方で紹介しています。
自宅で法要を営むときは、祭壇の横にデジタルフォトフレームを置き、遺影とは別に元気だった頃の写真を順に映す方法もあります。
\ 遺影の横で写真を順に映す /
思い出の写真の選び方と見せ方
遺影だけでは、長く闘病していた故人や、しばらく会えていなかった親族にとって、元気な頃を思い出しにくいことがあります。
写真を少し選んで見せると、世代の違う家族にも、故人の人柄が伝わります。
一周忌に見せる写真の選び方
写真は、改まった記念写真より、日常の笑顔や趣味、旅行の場面を中心に選びます。
- 若い頃や、子どもや孫が小さかった頃の写真
- 趣味や仕事に打ち込んでいる写真
- 家族や友人と笑っている写真
年代や場面が偏らないように選ぶと、親族それぞれが自分の知っている故人に出会えます。
一緒に写っている人がいる写真は、飾る前にその人や家族に了解を得ておきます。
親族から借りた写真は、原本を会場に持ち込まず、複製して飾ると、なくしたり傷めたりする心配がありません。
アルバムに貼ったままの古い写真は、写真用のスキャナーで取り込んでおくと、複製も映像づくりも進めやすくなります。
\ 古い写真をまとめて取り込む /
会場に合わせた見せ方
見せ方は、会場の広さと、参列者の年齢に合わせて選びます。
| 見せ方 | 向く場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 写真パネル | 待合や会食の会場の一角 | 年配の人にも見える大きさにし、短い説明を添える |
| アルバムや手紙 | 手に取って見てもらいたいとき | 原本は複製にする |
| 愛用品 | 帽子、眼鏡、作品、楽器など | 小さい物はケースに入れ、片付ける担当を決める |
| スライドショー | 会食の始まりや終わりに全員で見る | 会場で映像を流せるかを先に確かめる |
はがきほどの小さな画面で写真を流すと、年配の参列者が覗き込んで順番待ちになりやすいので、パネルかテレビ以上の大きさの画面にします。
写真の横に、撮った年や場所、そのときの一言を書いたカードを立てると、見た人が話しかけるきっかけになります。
飾る物の選び方や、会場に確かめることの順番は、お葬式のメモリアルコーナーの作り方でも紹介しています。
\ 写真の横に一言を立てる /
会食を思い出話の場にする
一周忌の会食は、四十九日で精進落としを済ませているので、精進料理にこだわらず、和食や仕出し、ホテルの料理でもかまいません。
店を予約するときに「法事で使う」と伝えると、祝いの席に使う飾りや料理を避けてもらえます。
故人が好きだった料理や、故郷の味を一品加えておくと、会食の最初の話題になります。
陰膳を用意するときは、上座に遺影と位牌を置き、その前に故人から見て食べやすい向きで膳を並べ、最後に家族で一口ずつ分けていただきます。

会食の始まりにスライドショーを流すときは、葬儀のときのような生い立ちの紹介より、家族との思い出と感謝を中心にすると、一周忌の雰囲気に合います。
写真の枚数や構成の決め方は、お葬式のムービーの作り方で紹介しています。
会食の前の施主の挨拶では、故人の思い出を一つだけ話し、「父の思い出話をお聞かせください」と結ぶと、そのあとの席で話が続きます。
献杯をするときは、グラスを打ち合わせず、静かに掲げます。
当日の写真を親族で分け合う
一周忌は親族が集まる機会なので、会食のあとに集合写真を撮り、集めた写真と一緒に親族で分け合うと、遠くに住む人にも故人の記録が届きます。
読経や焼香の間は撮影を控え、集合写真は法要が終わってから撮ります。
親族から借りた写真と当日の写真を一つにまとめたら、外付けのSSDに入れておくと、次の三回忌の準備でもそのまま使えます。
\ 集めた写真を一つにまとめる /
一周忌に流す映像を任せたいなら
一周忌の準備は、寺や会場の手配、案内状、料理、返礼品と重なるので、写真を選んで映像にまとめる時間まで取れないことがあります。
オーダーメイドでは、故人の歩みを静かに振り返るスライドショーを、ご家族の写真と言葉をもとに作るお葬式・法要のムービーを制作しています。
基本料金は15,000円(税込、2026年10月時点)で、写真50枚までの編集と完成前の確認が含まれ、コメントの修正や写真の並び替えは回数の制限なく頼めます。
法要の日にちと、集まった写真の枚数を伝えると、間に合うかどうかを相談できます。
\ 法要の日にちを伝えて相談 /
※相談のあとで頼むか決められます
一周忌の法要についてよくある質問
一周忌と一回忌は同じものですか?
違うもので、一回忌は亡くなった日、一周忌は亡くなってから満1年の命日を指します。
一周忌の法要で写真を飾ってもよいですか?
遺影のほかに思い出の写真を飾ってかまいませんが、寺や会館で営むときは、飾る場所と持ち込んでよい物を先に確かめます。
一周忌の会食で故人の好物を出してもよいですか?
出してかまわず、肉や魚の料理でも、一周忌の会食なら問題ないとされています。
一周忌を家族だけで営んでもよいですか?
家族だけで営む家も増えていますが、招かなかった親族には、終わってから報告の手紙を送ります。
一周忌の法要で故人を偲ぶ方法のまとめ
一周忌は満1年の命日に営む、喪が明ける節目の法要です。
準備は2〜3か月前に日程と会場から始め、案内状を出すころに親族から写真を集めます。
写真や映像は読経と焼香の時間を避け、待ち時間と会食で見てもらいます。
好物を供え、会食で思い出話を聞く時間を取って、家族で故人を偲ぶ一日にしてください。


