お葬式の手紙は、棺に入れて故人に届ける手紙か、遺族に送るお悔やみの手紙かで、書き方の決まりがまったく違います。
棺に入れる手紙は故人に話しかけるつもりで、生前の呼び方から書き始め、感謝と思い出を自由に綴ってかまいません。
遺族へのお悔やみの手紙は、白無地の便箋1枚に、季節の挨拶を省いてお悔やみから書き始めます。
記事のポイント
- 棺の手紙は自由に、お悔やみの手紙は作法どおりに
- 棺の手紙は呼びかけ・感謝・思い出・決意・結びの順
- 棺に入れるのは紙だけ、封は閉じない
- お悔やみの手紙は便箋1枚と一重の封筒で
誰に宛てるかで決まりが変わる
お葬式の手紙は、宛てる相手と、誰が読むかで、守ることが変わります。
| 比べること | 棺に入れる手紙 | 遺族へのお悔やみの手紙 |
|---|---|---|
| 宛てる相手 | 故人 | 喪主や遺族 |
| 読む人 | 基本は故人だけ | 喪主や遺族 |
| 書き方 | 話し言葉でよい、頭語や挨拶は不要 | 頭語と季節の挨拶を省き、作法を守る |
| 便箋と封筒 | 好きな色や柄でよい、枚数も自由 | 白無地の便箋1枚、一重の封筒 |
| 渡す時 | 納棺の儀か、出棺前のお別れの時 | 訃報を知ってから初七日まで |
故人に向けた言葉は棺の手紙に、遺族を気遣う言葉はお悔やみの手紙に分けると、どちらも書きやすくなります。
供花のカードや弔電、LINEで送る短い言葉は、お葬式のメッセージ例文で紹介しています。
式の中で読み上げる弔辞は、参列者の前で故人に語りかけるもので、手紙とは別に頼まれて書くものです。
棺に入れる手紙の書き方
棺に入れる手紙は、次の5つの順に書くと、言葉が出てこないときでも書き進められます。
- 生前の呼び方で呼びかけ、今の気持ちを書く(「お父さんへ」「まだ信じられません」)
- 感謝と、生前に言えなかったことを書く
- 一緒に過ごした思い出を1つか2つ書く
- これからの自分のことを書き、安心してもらう
- 「ゆっくり休んでね」「見守っていてね」と結び、自分の名前を書く

思い出は、出来事を並べるより、その場の様子が浮かぶ書き方にすると、自分だけの手紙になります。
- 味や手ざわり:泊まりに行くといつも作ってくれた唐揚げ、しわのある手でなでてくれた感触
- 口ぐせ:「おう、来たか」と迎えてくれた声を、かぎかっこでそのまま書く
- 今の自分とのつながり:教えてもらった料理を、今は自分が家族に作っていること
照れくさくて言えなかった「ありがとう」や、「あのとき何も言えなくてごめん」という気持ちも、棺の手紙なら素直に書けます。
泣きながら書いて字が乱れても、書き直す必要はありません。
書くのがつらいときは、スマホのメモに話しかけるように打ってから清書するか、一言だけのカードにしてもかまいません。
関係別の棺に入れる手紙の例文
例文の思い出の部分を、自分が覚えている場面に置き換えて使います。
親や配偶者への手紙
親への手紙は感謝と安心を、配偶者への手紙は一緒に歩いた年月への思いを中心にします。
配偶者への手紙なら、旅先の景色や毎日の食卓など、2人だけが知っている場面を1つ入れると、その人らしさが伝わります。
孫や友人からの手紙
小さな子どもが書く手紙は、ひらがなのままでよく、絵を添えても喜ばれます。
友人への手紙は、2人だけの思い出と、これからも友人でいるという気持ちを書きます。
棺に入れる前に確かめること
棺に入れる手紙は、火葬の妨げにならないように、紙の便箋と紙の封筒だけにします。
- ビニール袋、クリップ、ホチキスは、入れる直前に外す
- 封筒には「お父さんへ」と書き、封は閉じない(向こうで開けやすいようにという気持ちから)
- 遺族でない人が入れるときは、喪主や遺族に「お手紙を棺に入れてもよろしいですか」と先に尋ねる
- いつ入れればよいかは、開式前に葬儀社の担当者に相談しておく
手紙と一緒に写真を入れるときは、故人だけが写った写真か風景の写真を選び、生きている人が写った写真は避けます。
生きている人の写真を一緒に火葬すると「連れて行かれる」という言い伝えを気にする親族もいるので、入れたいときは写っている人全員に了解を得ます。
火葬場によって入れてよい物の決まりが違うので、写真や手紙の数が多いときは、葬儀社に現物を見せて確かめます。
何人もで言葉を書いて棺に納めるなら、お葬式の寄せ書き例文で色紙や折り鶴の形を紹介しています。
便箋の色や柄に決まりはありませんが、迷ったら白い便箋と白い封筒にすると、ほかの参列者の目に触れても落ち着いて見えます。
遺族へ送るお悔やみの手紙
通夜や葬儀に行けないときや、後から訃報を知ったときは、遺族にお悔やみの手紙を送ります。
お悔やみの手紙は「拝啓」などの頭語と季節の挨拶を書かず、次の順に便箋1枚に収めます。
- お悔やみの言葉
- 故人との関係や思い出を一文
- 参列できないお詫び(理由は「やむを得ない事情により」とだけ書く)
- 香典を同封するときは、その案内
- 遺族を気遣う言葉と結び
便箋は白無地の縦書きを1枚使い、2枚目を重ねないようにします。
封筒は白無地の一重のものにし、中が二重になった封筒は「不幸が重なる」と受け取られるので避けます。
便箋は四つ折りにせず三つ折りにし、宛名は喪主の名前に「様」を付けて書きます。

縦書きの白い便箋がまとめてあると、急な訃報のときにも慌てずに書けます。
\ 白無地で縦書きの便箋 /
香典を同封して送るとき
香典を郵送するときは、郵便局の窓口で現金書留の封筒を買い、香典袋と手紙を一緒に入れて送ります。
- 香典袋の中袋には、金額と住所、名前を書く
- 新しいお札しかないときは、一度折り目を付けてから入れる
- 現金書留の封筒、手紙の封筒、香典袋の表の向きをそろえて入れる
- 葬儀に間に合わないときは、遅くとも初七日までに届くように送る
四十九日を過ぎてから送るときは、手紙の「ご霊前」を「ご仏前」に書き換えます。
香典袋は、黒白の水引のものを選ぶと、多くの仏式の葬儀で使えます。
\ 郵送する香典を包むときに /
避けたい言葉と宗教ごとの違い
お悔やみの手紙では、重ね言葉や、死を直接思わせる言葉を言い換えます。
| 避けたい言葉 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 重ね重ね、くれぐれも、たびたび | 深く、どうか |
| 再び、引き続き | 改めて、これからも |
| 死ぬ、生きていた頃 | ご逝去、ご生前 |
浄土真宗では「ご冥福」や「ご霊前」を使わず、神道では「御霊のご平安をお祈りいたします」、キリスト教では「安らかなお眠りをお祈りいたします」と書きます。
棺に入れる手紙は故人への私信なので、言葉を選びすぎて不自然になるより、素直な気持ちを優先してかまいません。
四十九日や一周忌の法要に出す手紙の書き方は、法要の手紙の書き方で紹介しています。
手紙に書いた思い出を映像に残すなら
棺に入れた手紙は火葬とともに故人へ届きますが、手紙に書いた思い出の場面は、写真と言葉の映像として家族の手元にも残せます。
オーダーメイドでは、故人の歩みを静かに振り返るスライドショーを、ご家族の写真と言葉をもとに作るお葬式・法要のムービーを制作しています。
基本料金は15,000円(税込、2026年10月時点)で、写真50枚までの編集と完成前の確認が含まれ、コメントの修正や写真の並び替えは回数の制限なく頼めます。
四十九日や一周忌の法要で流したいときも、上映する日を伝えると、制作の進め方を相談できます。
\ 手紙の思い出を写真と一緒に /
※相談しても申し込みにはなりません
お葬式の手紙についてよくある質問
棺に入れる手紙は何枚まで入れられますか?
分厚くならなければ、普通の手紙は数枚でも入れられることが多いです。
量が多いときは、葬儀社に火葬場の決まりを確かめます。
棺に入れる手紙を家族以外が書いてもよいですか?
書いてかまいませんが、入れる前に喪主や遺族に入れてよいか尋ねます。
お悔やみの手紙はボールペンで書いてもよいですか?
黒のボールペンや万年筆でも失礼にはあたらないとされていますが、鉛筆やシャープペンシルは避けます。
お悔やみの手紙はいつまでに出せばよいですか?
訃報を知ったらなるべく早く、遅くとも初七日までに届くように出します。
お葬式の手紙の書き方のまとめ
お葬式の手紙は、棺に入れる故人への手紙と、遺族へのお悔やみの手紙で書き方が違います。
棺の手紙は、呼びかけ、感謝、思い出、これからのこと、結びの順に、自由な言葉で書きます。
棺に入れるのは紙の便箋と封筒だけにし、封は閉じず、遺族と葬儀社に先に確かめます。
お悔やみの手紙は、白無地の便箋1枚と一重の封筒で、遺族を気遣う言葉を添えて送ってください。


